薬 価 差 益 、日本 の 薬 剤 費 に つ い て


 日本の診療報酬点数は、先進国に比較して技術料も安く、その分を薬価差益(薬価基準で決められた価格と医療機関の仕入れ額の差額)で補って来たことを政府は認めています(平成9年2月、国会答弁で橋本首相は薬価差益を医療機関経営の原資として来たことを正式に認めました)。

 平成元年、坂本保健局長は薬価差益が約1兆3千億円と国会で答弁し、この根拠のない発言が一人歩きし続けます。


薬価差益で利益を得るには、薬を大量に購入しなければならず、一般開業医は、薬の使用量も国公立病院に比べ少なく、余分な薬まで買うようなゆとりもなく、無駄もできません。最も薬価差益の恩恵に浴せるのは、大量購入が可能な病院というわけです。


 今や、年々薬の価格は下げられ、薬価差益はゼロに近づいています。

 管理コストや薬品にかかる消費税(医療機関は薬品を購入すると消費税を払いますが、患者さんからその消費税は取れません、これが損税と言われるものです)を計算すると、逆ザヤ(購入費が請求額より高い状況)さえ言われ、今や病院は院内の薬局を止め、院外処方・院外薬局へどんどん変わっています。


 厚生省や健康保険組合などの保険者やマスコミだけが、未だに薬価差益を強調していますが、実際に薬を扱っている医師や薬問屋さんの皆さんが、そのウソを知っています。


その厚生省は、平成11年4月の自民党医療基本問題調査会と社会部会の合同会議で、薬価差益を解消して技術料に振り分けるという発想が出たとたんに、薬価差益1兆3000億円と発言していたものを、年間4700億円との推計値を出してきました。今までの報道はマヤカシであったわけです。


 厚生省の宣伝する国民医療費に占める薬剤比率3割という数字も、平成5年以降、減少を続け、平成10年度は20.8%と低下しています。


 マスコミは薬漬けと批判しますが、処方される日本の薬の量は欧米に比較して多いのではなく、一部の薬の値段、特に新薬の値段が欧米に比べて高いのが原因なのです(1.5 〜3倍とも言われています)。
               

 医療材料費も同様で、心臓のペースメーカーの値段は、日本では160 万円、アメリカが60万円、イギリスが30万円、ドイツ・フランスで40万円となっています。

医療機器の販売価格の国際比較(1995年)        (単位千円)
ペースメーカ PTCDカテーテル 冠動脈ステント 人工肺 眼内レンズ
日本 1600 257 350 219 55
アメリカ 600 71 200 143 14
イギリス 300 60 100 10
ドイツ 400 60 100 185 17
フランス 400 40 300 79
(注)日本以外の国については購買力平価による換算
  (出所)医療経済研究機構

 薬価や医療材料の問題で改革が求められるのは、高い薬価や材料費が問題で、かつ流通機構の問題があるわけです。